このブログ記事では、RESEARCH and DESTROYのユニークなタイム管理システムと、我々がターンベースアクションと呼ぶターン制戦略ゲームとサードパーソン・シューティングゲームの融合した新たなアイディアをどのように思いついたのかをお話しします。

前回の記事でもご紹介したように、最初のプロトタイプを作った段階ではX-COMに主な影響を受けていました。ですがその後、RADはすぐにサードパーソン・シューティングゲームに近い別のものに進化していったのです。

通常、X-COMのようなターン制戦略ゲームはプレイヤーに「移動ポイント」や「アクションポイント」のようなものを与えて、それをターン毎に消費させます。こうしたゲームの典型例では、プレイヤーは一定の距離までキャラクターを移動させ、その後に攻撃などのアクションをするように指示を出します。プレイヤーは攻撃やその他のアクションが実行されるのを黙って見ていることになります。

RADのプロトタイプを作っている最中は、こういうものを作ろうとしていました。ですが、このジャンルに追加したいと考えた主な要素とはうまく合わないだろうと気づいたのです。その要素とは、マルチプレイヤー協力プレイです。
すぐにターン制を止めました。他のプレイヤーが行動を終えるのを待っているのは、とても退屈で仕方がないからです。他のプレイヤーのキャラクターが邪魔で遮蔽物までほんのわずかに届かない。または、こちらの射線に入ってしまう。あるいは足の速い奴に遮蔽物を横取りされてしまい、雷雨の中、湖の真ん中で頭に避雷針を付けたアヒルのように棒立ちになってしまう、こういう事態が起こってほしくはなかったのです。(編集者向けのメモ: それほど酷くないが同じくらい間抜けな表現に入れ替えてください)

その瞬間は笑えてもいずれ不満がたまります。そこで、戦略ゲームの慣習というか、常識を本当に真似る必要があるのかと考えました。キャラクターに指示を出すのではなく、自分で操作できればいいのではないだろうか?キャラクターに撃てと命令するのではなく、自分で狙ってトリガーを引けばいいのでは?移動ポイント、アクションポイント等は、キャラクターが行動を起こすのに必要な時間を抽象化したものに過ぎないのでは?この時点で私達は同時に風呂から飛び出し、「これだ!」と叫びながら急いでプロトタイプの調整にかかりました。TPSと同じように直接キャラクターを操作できる代わりに、時間制限を設けたのです。こうして生まれたのが、今や極めてポピュラーとなった* ターン制アクションゲームというジャンルです。
(*どの時点でこの記事を読んでいるかによります)

各キャラクター(RADでは超科学者)は8秒もしくはアクションタイムを超科学者ターンに与えられ、プレイヤーが望む行動を行わせることができます。しかし、アクションタイムは実際に超科学者がなにか行動した時のみ消費されます。走る、撃つ、何かリサーチする等です。ただ立って周囲を見ているだけなら消費されません。ゲームパッドから手を離した瞬間にゲームは一時停止し、次にどうすべきか考えることができます。また、科学者の操作をいつでも止めて自由飛行カメラやサテライトカメラビューに切り替えて周辺、目標、超自然存在の敵等を確認することができます。

プレイヤーは、科学者のアクションタイムを、各ターンごとに思うように使うことができます。例えば、ある科学者を操作して3秒間ゴーストを撃たせた後で目標に向けて走らせ、次に前にいるゾンビを撃つこともできるのです。または、体力の低下した科学者を接近するワーウルフから、8秒間ずっと逃げさせることもできます。アクションタイムが残っているなら、どの時点でも科学者は選択できます。そのため、ある科学者を数秒使ってから別の科学者で違うことを行い、最初の科学者の操作に戻ることもできます。

科学者のアクションタイムはUIでは様々な異なる方法で表示されますので、貴重なタイムが科学者にどれだけ残っているのか、いつでも把握しておくことが可能です。

サードパーソン・シューティングゲームのような操作ではありますが、RADにはX-COMやターン制戦略ゲームの影響が色濃く残っています。プレイヤーは次の行動を計画する時間を好きなだけ取ることができるのです。
ターン制戦略ゲームでは、ターン毎にキャラクターがどれほどの距離を移動できるのかプレビューで見られるのが普通です。RADでは、地面に引かれた青い線が同じような役割を果たしますが、タイムがどれだけ残っているのかを示しています。目の前の地面に青い線があって、まっすぐ歩く以外の行動を取らなかった場合は線の端まで移動できます。

三人の科学者全員が8秒を使い切ると、超科学者ターンは終わり、超自然存在ターンが始まります。

超自然存在ターン
ターン制戦略ゲームによくある批判は、敵の動きや攻撃をいちいち見せられるために、敵のターンが長すぎるというものです。RADでは時間を圧縮して超自然存在ターンは数秒で終了しますので、プレイヤーはすぐにゲームプレイに戻ることができます。
まず、超自然存在クリーチャー達は同時に動きます。次に超自然存在の攻撃が各科学者ごとに素早く連続表示されますが、同じタイプの超自然存在は同時に攻撃します。例えば、2体のゴーストがひとりの科学者に同時に急接近攻撃し、近くのゾンビも同時に噛みつき攻撃を行います。
超自然存在ターンは超科学ターンと比べ、この手のジャンルの典型に近い作りになっています。最初に移動し、次に攻撃です。ただし、中にはこのルールを破ることもできる超自然存在もいます。画面上のインジケーターが超自然存在がターンのどのフェーズにいるのか表示しますが、ターンはすぐに終了するので安心してください。

超自然存在ターンが終了すると、プレイヤーに完全に操作が戻ります。
科学者達は目標を達成しなくてはなりません。地域を捜索して敵を掃討したり、科学装置を設置したり、超自然ポータルを閉じたり、あるいはこの危険な新世界で単純に生き残ったりといったものです。リソースとしてのタイムの管理には状況判断が関わることが多くなります。戦闘で攻撃と防御と、どちらにタイムをつぎ込むべきか?目標達成までどのくらいかかるか?タイムを消費して遮蔽物に移動すべきか、それともあの体力回復アイテムを拾うべきか?突貫プレイをしてもいいし、科学者のひとりをタンクにするのも手ですが、常にそれが最善策とは限りません。戦術的にプレイし、周辺環境を考慮に入れることで、生き延びて科学調査を続ける良いチャンスが生まれます。たとえ科学者のひとりが倒れても大丈夫です。別の科学者が倒れた仲間の元へ駆けつけて蘇生させることができます。腕は2本や4本よりも6本あった方が便利です。

クエストで科学者を助けてくれるものとして、開発できるユニークな武器や便利なガジェットに加え、実際に行動する場所で利用できるアイテムもあります。分かりやすく効果的な遮蔽物システムがある他、高所から攻撃した場合にはダメージボーナスが得られます。環境内では多数の爆薬、電子機器、敵の位置を明らかにしてくれる点滅する光、ゲームでおなじみの爆発する赤い樽などが見つかります。
プレイヤーは繰り返してのプレイや試行、ゲーム内でのリサーチ(詳細は後ほど!)を通じて、様々な要素を発見することになります。ゲーム機同士の通信プレイ、超自然存在の行動、武器とガジェットの強力なシナジー効果をがあることも突き止めるでしょう。

ターン制戦略ゲームやサードパーソン・シューティングゲームどちらかのファン、または両方のファン、さらに新しいジャンルのゲームに挑戦してみたい方は、RESEARCH and DESTROYのターン制アクションをぜひ試してみてください。